父の痴呆症 その2
10月終わりの介護帰省の時に、父に運転免許の返納をしてもらいました。
実はその前の9月の帰省の折にも、父は免許返納したいと口にしていたのですが、いざ「じゃあ今から行こうか」と誘うと「やっぱりまだ返納したくない」とダダをこね、結局返納できなかったのです。
母が病気になった直後から、父にも母にも車の運転をしないように、あれやこれや手を尽くしていました。
ざっくり言うと車のキーを隠すようなことをして、半ば無理やり運転できないようにしていたのです。
そのせいなのか痴呆が進んだせいなのか、父もあれやこれやで抵抗してきました。
まずは孫の古い自転車を物置から引っ張り出してきて、病院やら銀行やらホームセンターやらに一人で出かけるように。
けれども行くことはできても、帰ってくることができず、その度に義姉に迷惑をかけていたのです。
音を上げた義姉が古い自転車を隠すと、今度は電動アシスト自転車を買ってくる始末。
ついにはその電動アシスト自転車を盗まれる(と父は思っているけれど、何のことはない自分でどこに止めたかわからなくなっただけ)というオチがつき、ようやく父も運転免許の諦めがついたようです。
免許返納の手続きはなかなか大変でした。
なんせお役所の仕事ですから、何枚も何枚も住所や生年月日や氏名を書かされます。
私は側で見ているだけだったのですが、最後の一枚になった時に、父が「あーーめんどくさい、おまえ書いてくれや!」と私に放るようにしてよこしてきました。
それを書き終わったところで係員が「コチラの余白に代筆の方の氏名と住所を・・・」と、笑。
うん、やっぱりそうだよね~。
それでもまぁ目も手もかなりおぼつかなくなっている父が、残り一枚まで我慢強く自書したことを讃えたいと思います。
何より優しく丁寧に対応してくれた警察署の女性職員が素晴らしかったんですわ。
しかも皆揃いも揃って美人ばかりで、私に息子がいたならきっと嫁にしたいと思って「彼氏いるの?」とか聞いてたかもしれないくらい。
父は四隅に穴を開けられた返納された免許証に紐を通して首にかけ、迷子札がわりにしています。
本人は免許返納したことがいくらか自慢なのか、会う人会う人「こないだ免許返納したんじゃ」と吹聴しているらしい。
免許返納したことすら忘れてまた運転してしまう、なんてこともなさそうなので一安心といったところ。
残りは母の免許返納なのですが、多分こっちはまだまだ先のことになりそうですよ。
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